北大東島の観光を楽しむ&ハマユウ荘宿泊記【北大東・南大東島旅行 #2】

北大東島燐鉱山遺跡

北大東島~南大東島の当時日本最短距離フライトに乗るべく、札幌から遥々北大東島へやってきました。一番の目当ては飛行機ではあるものの、せっかくここまで来たからには観光もしっかり満喫していきます。

1日目昼に北大東島に到着してから、2日目昼の南大東島行きに搭乗するまでの約24時間の間、レンタカーを借りて島中をたっぷり巡りました。

目次

北大東島の貴重な宿泊施設:ハマユウ荘

北大東空港から送迎バスでハマユウ荘へ

北大東空港からハマユウ荘への送迎バス

この日北大東島で宿泊するのはハマユウ荘という宿です。そもそも北大東島には「二六荘」と「ハマユウ荘」の2つしか宿泊施設がありません。

その中でもハマユウ荘は離島の宿とは思えないほど設備が立派で、立地も高台の上で景色もよくオススメです。また、北大東空港の御翔印を購入するためには当時はハマユウ荘への宿泊が必要でした。(なお現在は空港の売店でも購入可能と公式ページに記載されています)

北大東空港からハマユウ荘への送迎バスの車窓

送迎バスの車窓からひたすら続くサトウキビ畑を見ているとテンションが上がっていきます。

モダンなデザインのハマユウ荘

ハマユウ荘の全景

ハマユウ荘に到着です。立派なコンクリート造りの建物が中庭を取り囲むように建てられています。結構大規模な宿です。

北大東島のハマユウ荘の客室

客室はこんな感じでした。部屋の広さも十分あり、ベッドだけでなくテーブルと椅子もあるなど、かなり立派な客室で離島の宿とは思えません。

カーブした天井のデザインや、大きく取られた窓も最高です。また、宿内にレストランもあるのもありがたいです。

宿周辺を探索

北大東島の光景

当日になってレンタカーを手配した関係で、車を借りるまでに少し時間があったので、まずは宿周辺を歩いて散歩していきます。

ハマユウ荘は高台にあるので坂があってちょっと歩くのは大変ですが……坂を下りながら南国らしい景色を見ているだけで心がリフレッシュできますね。

北大東島のハイビスカス

至る所でハイビスカスが綺麗に咲いています。

北大東島唯一の信号機

坂を降りきったところに島で唯一の信号機があります。学校がすぐ近くにあったので、いわゆる教育用の信号機なのでしょうね。

JAおきなわ北大東支店

信号機の近くにJAの売店がありました。結構大きいお店で、食べ物や日用品など色々なものが売っています。かなり暑かったので飲み物を購入。

北大東村役場

北大東村役場も結構立派な建物でした。入口部のカーブしたデザインが素敵です。

かつての夢の跡、北大東島燐鉱山遺跡

北大東島燐鉱山遺跡

車を借りることが出来たので、いよいよ島全体を回っていきます。まずは北大東島燐鉱山遺跡へやってきました。

かつて北大東島ではリンを採掘していたようで、採掘場や貯蔵庫に船着き場など、燐鉱石の採掘から搬出までの一連の設備が残る貴重な遺産となっています。

北大東島燐鉱山遺跡

広々とした斜面に、かつて建物を構成してたであろうレンガなどの部材が残っています。

広く青い空のもと朽ちた構造物が広がっている様子はまるでゲームの世界にいるような気分になります。

北大東島燐鉱山遺跡

比較的建物としての形を保っているこちらの煉瓦造りの建物は、かつては燐鉱石を乾燥させるための施設だったようです。

北大東島燐鉱山遺跡の巻き上げ機

かつて荷下ろしに使ってたのであろう巻き上げ機も残っています。この錆び具合がたまりません。

北大東島燐鉱山遺跡の巻き上げ機

どうやら1956年に造られたものらしいです。60~70年近く潮風に当たり続けてきたと思うとこの錆び方にも納得です。

北大東島燐鉱山遺跡の斜面

北大東島は島全体がゴツゴツした激しい岸壁に囲われていますが、燐鉱石を運ぶために海面まで切り下げた斜面も残っています。写真だと伝わりづらいですが、かなりの急斜面です。この斜面上で、先程の写真にあった巻き上げ装置を使いながらなんとか積み下ろしをしていたのでしょう……

北大東島燐鉱山遺跡

道路を挟んだ反対側のエリアには、燐鉱石の貯蔵庫や、運搬するトロッコを通していたコンクリートのトンネルなどの跡が残っていました。こちらのエリアは「旧東洋精糖燐鉱石貯蔵庫」として、国の文化財になっているようです。

北大東島燐鉱山遺跡

コンクリートのトンネルは所々壊され穴が空いています。これは戦後ベルトコンベアを導入するために人工的に開けられた穴だそうです(穴からトンネル内に落としていくような形だとか)。

北大東島燐鉱山遺跡は廃墟マニアは勿論、そうでない人も独特の空気感に魅了されると思います。かなり満足度の高いスポットでした。

島中をドライブしながら気になったスポットを紹介

北大東島燐鉱山遺跡を楽しんだ後は、島を回りながら色々なスポットを巡っていきました。その中でも気になった場所を紹介していきます。

大東ピラミッドと北大東総合暴露試験場

大東ピラミッド

運転していると突然大きな人工物が現れます。まるでピラミッドのようなこちらの構造物、後ほど紹介する北大東漁港を整備した際に発生した大量の残土を積み上げたものだそうです。通称大東ピラミッドと呼ばれています。

北大東総合暴露試験場

大東ピラミッドの近くに、電柱が大量に並んだエリアがありました。気になって調べてみたところ、こちらは北大東総合暴露試験場という施設で、電力・通信系設備について、海風や台風などの厳しい自然環境に対する暴露試験を行う場所だそうです。台風が直撃することも多い大東島はこのような試験をするのにうってつけの場所なのでしょう。

海面まで降りれる上陸公園

上陸公園の看板

続いて上陸公園にやってきました。名前の通り、北大東島を開拓した人が初めて上陸したとされる場所です。

上陸公園

北大東島は360度断崖絶壁に囲われていますが、そんな中何とか坂道を造り、サトウキビの搬出もここで行っていたようです。今では坂道はしっかりとコンクリートで整備されていますが、結構急なので注意して降りましょう。

上陸公園の海

坂道を下ればかつて港として使われていた岩場にたどり着きます。北大東島で海面まで近づける場所は貴重です。

海はとても綺麗ですが、波はここでも結構高く激しいので注意した方がよさそうです。また、戻るときは急な坂道を登らなくてはならないのが結構しんどかったです…笑

大迫力のコンクリート構造物に惹き込まれる北大東漁港

北大東漁港の看板

こちらの北大東漁港は2019年に完成した比較的新しい漁港です。(正確には『南大東漁港(北大東地区)』という扱いだそうです)

北大東島はこの記事で何度も触れている通り断崖絶壁に囲われているほか、周辺の海底も非常に深いことから、一般的に見かけるような島の外に突き出す形の港の建設が難しい環境です。そのため、これまで島には直接船を係留できる港が存在せず、クレーンを使って漁船の吊り上げ・吊り下げを行ってきたそうです。

北大東漁港

そこで、島の岩盤を100万㎥と大規模に掘り込んで造られたのがこの北大東漁港です。ここまで大規模な岩盤堀り込み式の漁港は日本でもほとんど例が無いようです。

大規模に掘り込んだ上で、相当な高さの擁壁や堤防が全てコンクリートで造られており、日本中にある土木構造物の中でもトップクラスの迫力です。

北大東漁港の坂道

港の下まで降りてみましたが、視界一面がコンクリートで埋まるのはワクワクします。

北大東漁港

ただの港と言ってしまえばそれまでですが、厳しい自然に技術で対抗している姿をひしひしと感じられ、個人的には大満足の場所でした。

ちなみに漁船はこの漁港の整備によってクレーンを使わなくても良くなりましたが、沖縄本土と北大東島を結ぶ船は今でもクレーンを使って荷物や人の積み下ろしを行っています。本当はクレーンで吊られて上陸するという体験をしてみたかったのですが、中々船のスケジュールが合わず、今回は断念しました。いつか体験してみたいですね……

巨大な岩が飛ばされた!?台風岩

北大東島の台風岩

こちらの中心に写っている岩、なんと台風で飛ばされてきた岩だそうです。横4.6m×高さ3.3mとかなりの大きさですが、こんな大きな塊を吹き飛ばしてしまうなんて台風恐ろしすぎます……

この岩を吹き飛ばした台風は平成21年の台風18号で、南大東島では最大瞬間風速58.9m/sを記録したそうです。

沖縄最東端の碑と島唯一の海水浴スポット「沖縄海」

沖縄最東端の碑

北大東空港の東側に、沖縄最東端の碑があります。とりあえず端っこって行きたくなりますよね。

沖縄最東端の碑の日時計

記念碑の中央には日時計がありました。

北大東島の沖縄海

そしてこの最東端の碑がある場所のすぐ隣には、北大東島で唯一海水浴をすることができる場所『沖縄海』がありました。ただ訪れたときは満潮に近く、波も高かったので海に入っている人はいませんでした。

翌日干潮に近い時間に訪れたときには海の中に入ったり海面近くの岩場を散歩できました!この記事の後半で紹介します。

北港で夕焼けを楽しむ

北大東島の北港から見る夕日

北大東島のドライブを楽しみ、そろそろ日が沈む時間です。近くにあった北港から、美しい海と太陽の見事なコンビネーションが楽しめました。夕焼けは島の色々な場所から楽しめると思いますが、海と一緒に楽しむなら北港か西港が良い気がします。

離島で美しい景色を眺めながらぼーっとするのは最高です。

ハマユウ荘で夕飯をいただく

ハマユウ荘にあるレストランはまゆう

夕飯はハマユウ荘にあるレストランはまゆうでいただきます。

ハマユウ荘の夕飯

夕飯はとんかつに寿司にお刺身とかなり贅沢なセットでした。ちなみに追加でお金を払えば有名な大東寿司も食べられます。(自分は少食なので追加しませんでしたが……)

離島でこんな豪華な食事が食べられるなんて最高です!

2日目:1日目に行けなかった場所や北大東島での海水浴を楽しむ

ハマユウ荘のチェックアウト時に御翔印をゲット

北大東空港の御翔印

ハマユウ荘で一夜を過ごし、この日はいよいよ当時日本最短の国内線航路、北大東~南大東路線に搭乗します。ただお昼ごろまでは引き続き北大東島の観光です。

まずはハマユウ荘にチェックアウト時に、フロントで御翔印を購入します。御翔印はJALが展開している、神社の御朱印を模して空港毎に販売している記念品です。今では北大東空港の売店でも販売しているようですが、当時はハマユウ荘で宿泊をした上で、チェックアウト時にのみ購入可能という、全国の御翔印の中でもトップクラスの入手難度を誇っていました。

北大東島灯台とサトウキビ畑

北大東灯台

2日目最初に訪れたのが、北大東島灯台です。海沿いではなく、島の中心部の標高が高い山の上に設けられた灯台となっています。

残念ながら中には入れないのですが、白い灯台が青空に映えて素敵です。

北大東灯台の近くの坂道からの景色

灯台の周辺はひたすらにサトウキビ畑が続いており、その向こうに海が望めます。

坂の下から眺める北大東灯台

坂の下からサトウキビ畑と灯台をセットで撮ってみました。のどかな光景です。

北大東灯台近くの道

サトウキビに囲まれた何気ない道もとても絵になりますね。

干潮の沖縄海で海と触れ合う

北大東島の沖縄海

1日目に行ったときは海面も高く波が高かった沖縄海ですが、この日の午前中は干潮で、泳いでいる人もちらほらいました。ちなみにこの沖縄海も人工的に造られた潮溜まりだそうです。

北大東島の沖縄海のビーチ

この日もとてもよく晴れていたのもあって、海の色のグラデーションが最高です。

足だけ海に入ってみましたが、冷たくて最高に気持ちよかったです!ただ砂浜は非常に少なくゴツゴツとした岩場が中心なので、転ばないように注意!

北大東島の沖縄海の岩場

満潮のときは海の下に沈んでいるであろう岩場は、所々に小さなプールのような穴があり、覗き込んでみると色々な生きものが見つかって楽しいです。

北大東島の沖縄海の岩場

ほとんど岩場の色と同化していますが、カニらしき生物がいました。勿論魚やヒトデなどの他の生きものも沢山観察できましたよ!

北大東島の沖縄海の岩場

北大東島で唯一海水浴を楽しめる場所とはいえ、場所によってはかなり波が高いです!安全には十分気をつけて楽しみましょう。

ハマユウ荘で昼食

ハマユウ荘で食べるソーキそば

お昼ごはんも宿泊した場所であるハマユウ荘のレストランで食べました。島で食事できる場所が少ない中、気軽に入れる場所なので大変ありがたいです。ソーキそばをいただきましたがとても美味しかったです。

約24時間の北大東島の滞在でしたが、目立った観光スポットは少ないものの、燐鉱山遺跡や北大東漁港などここでしか見られない景色も多く、たっぷりと楽しめました。次回の記事では、いよいよ当時日本最短の航空路線、北大東~南大東の搭乗記を書きたいと思います。

北大東島燐鉱山遺跡

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