鉄道好きが行く台湾旅の旅行記も、ついに4日目の記録に入ります。この日は昼過ぎからランタン飛ばしで有名な十分や、美しい提灯の夜景が有名な九份に行ったのですが、午前中に宜蘭という街に寄り道をして台湾最後の気動車特急に乗ってきました。
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西門のホテルにチェックインし、龍山寺や台北101を巡る
午前中は国立台湾博物館鉄道部パークへ、午後は行天宮や士林夜市へ
念願の台湾新幹線に乗車し高雄へ。蓮池潭やベイサイドエリア、美佐島駅など美しい街並みを堪能
線路上でランタンを飛ばす光景が有名な十分と、提灯の町並みが美しい九份へ
台北市内でお土産を買い、昼過ぎの便で日本へ帰国
消えつつある台湾の気動車特急に乗りたい
台湾の在来線である台湾鉄路管理局(台鉄)には「自強号」と呼ばれる日本における特急に相当する列車が走っています。自強号に使われる車両は基本的には電車がほとんどですが、現在も僅かにディーゼル車「DR3100型気動車」による運行が残っているのです。
以前は台湾南部の路線に非電化区間があったことから気動車特急が活躍していたそうですが、台湾の鉄道は2020年に全線の電化が終了していることから、気動車特急はどんどん減少しています。自分が台湾に行った2024年5月当時でも既に2往復のみの運転でした。
この日の最終的な目的は十分と九份の観光で、それらの街の入口となる瑞芳駅に向かおうと考えていました。しかし調べてみると、ちょっと早起きして宜蘭という街に向かい、そこから台北方面へ向かう気動車の自強号(215次)に乗れそうということが分かりました。その気動車特急に乗って宜蘭駅から瑞芳駅に戻るという作戦です。
特急の乗車駅となる宜蘭駅へ
台北駅から宜蘭駅へ移動
まずは台北駅から8:35発の区間快車4022次に乗車。宜蘭駅へ向かいます。
それなりに混んでいたため車内の写真は撮っていませんが、10:15分すぎに宜蘭駅に到着です。
宜蘭駅の構造は改札に面したホームが一つと島式ホームが一つという、日本でも古い駅にありがちな構造でした。
宜蘭駅の駅舎にはキリンのオブジェがあったり全体的に絵が描かれている特徴ある駅舎となっています。この駅舎のイラストやオブジェは、宜蘭出身の絵本作家、幾米(ジミー)氏による作品とのことです。
駅舎の向かいの広場には空を駆ける汽車のオブジェも!こちらもジミー氏による作品だそうです。曇り空だったので少々暗い感じに写っていますが、どちらも作品も絵本作家らしくポップで夢のある世界観で素敵です。
ちょっぴり宜蘭駅周辺をお散歩
お目当ての自強号の出発時間までは少し時間があるので、ちょっとだけ駅周辺を散歩してみます。特に目的地もなくふらふら歩くだけですが、異国の地だとそれだけでも楽しいものです。
歩きまわっているうちに、蘭陽原創館という施設に辿り着きました。台湾先住民族の文化をテーマにした店が集まる商業施設です。個性ある小さいショップが沢山集まっている空間でした。
自強号215次 宜蘭→瑞芳
いよいよお目当ての列車、自強号215次に乗車します。乗車時間は1時間ほどです。
車両はDR3100型気動車です。車両の形自体は角張った形であまり特急感がある見た目ではありませんが、車両の仕様はしっかりと特急らしいものになっています。
メインの客室は古さはありつつも、足置きまでついたゆとりのあるシートで快適です。窓も広く、エンジンの音を聞きながら車窓を眺められるのは鉄道好きには最高です。
デッキの方を探検してみると、車椅子対応の大型トイレがありました。向かいには休憩できそうなベンチも設けられています。
そして一番面白かったのが、運転席の横にも2席だけ隔離されて座席が設置されていました。鉄オタ的にはここが一番良いシートかもしれません笑
ちなみに自分が乗ったときは3両×3編成の9両編成で運行されていました。連結部にはしっかりとロープがかけられてます。
貴重な気動車特急の旅はあっという間に終わり、瑞芳駅に到着です。
せっかく外国に来たからには、短区間でもお目当ての車両に乗るのはとても楽しいですしおすすめです!まあ前日に乗った客車列車の莒光号は10分しか乗っていないので、それと比べれば大分しっかりと乗れましたが……笑
瑞芳駅からは平渓線に乗り換え、ランタン上げで有名な十分と千と千尋の神隠しの世界観を楽しめると評判の九份を楽しみました。その様子は次回の旅行記でお届けします。