中国の高速鉄道(CRH)は、本格的に整備され始めたのは21世紀に入ってからと歴史は浅いものの、物凄いスピードで建設が進められ、現在では総延長約4.5kmとも言われるほどまでに発展しています。日本ではどうしてもネガティブなイメージが先行しがちですが、様々な国の車両をベースに作られた車両や、中国独自の車両、巨大すぎる駅と空港のような手続き、夜行新幹線などなど、中国の高速鉄道でしか味わえない体験も多く、鉄道好きとしては是非とも乗ってみたいと思っていました。
ということで今年のGWに上海に行った際、高速鉄道に乗るべく、日帰りで杭州まで高速鉄道に乗ってきました!片道1時間程度の距離とそこまで遠い距離では無いのですが、記念すべき中国高速鉄道への初乗車ということで、往路はビジネスクラスを利用しました。中国高速鉄道のビジネスクラスは、駅でラウンジが使えたり、車内で食事や飲み物が提供される他、なんとフルフラットになるシートが装備されていたりと国際線の飛行機と勝負できそうな超豪華仕様なんです!
この記事では中国高速鉄道のビジネスクラスの乗車記をお届けします。中国の高速鉄道が気になっている方は是非参考にしてください。記事の最後には切符の買い方についても簡単に紹介しています。
今回乗車する区間

今回は上海の高速鉄道が発着するメインの駅である上海虹橋駅から、杭州西駅まで乗車します。杭州は世界遺産にも指定されている西湖といった美しい景観が楽しめる都市で、高速鉄道を使えば上海からも十分日帰り可能な距離です。
なお杭州西駅は比較的最近開業した駅で、街の中心部からは少し離れた駅となっています。今回自分はスマート復興号と呼ばれる最新車両のビジネスクラスに乗るために杭州西駅を経由する列車を選択しましたが、ただ観光するだけなら杭州東駅の方が便利です。
1時間半ほどの乗車で、ビジネスクラスの運賃は7,473円でした。日本の新幹線の値段を考えると、結構安く感じませんか?
規模が大きすぎる上海虹橋駅
地下鉄のホームから出発口へ

今回の高速鉄道の旅の出発駅、上海虹橋駅へはホテルから地下鉄で到着。ここから高速鉄道の改札を目指します。

地下鉄を降りて少し進むと早速高速鉄道の改札を発見!……と思いきや、こちらは出口専用です。中国の高速鉄道はセキュリティの関係から、出発と到着の動線が分離されているのです。

ということで、出発(Departures)の案内にしたがって進んでいきます。駅が巨大すぎて不安になりますが、案内自体はいっぱいあるので大丈夫です。
荷物検査を通って出発エリアへ

案内に従って進むと、セキュリティチェックにたどり着きます。自動改札と有人レーンがありますが、基本的には外国人は有人レーンを使ったほうが無難です。係員にパスポートを提示すれば手続きを進めてくれます。あとは指示に従って手荷物検査を受けましょう。この辺の流れは空港の保安検査のような感じですね。

荷物検査を抜けると出発エリアに入りますが、上海虹橋駅の出発エリアは超巨大で圧巻です!そして労働節と呼ばれる中国の大型連休の期間だったため、大量に椅子があるのにも関わらずほぼ埋まっています……中国のスケールの大きさを感じますね……
ビジネスクラス利用者向けのラウンジへ

出発エリアに入ってからもお店や自動販売機などは結構充実していて割と時間つぶしは出来るのですが、ビジネスクラスの利用者は空港のようにラウンジを使うことができます!あまり看板が出ていなくて探すのにちょっと苦労しましたが、案内図をヒントにラウンジの入口にたどり着きました。
入口に入る係員にビジネスクラスの利用者であることを伝えると中に通してくれます。入ったら、まずは中にあるカウンターに行ってパスポートを提示しましょう。これから乗車する列車を調べた上で、番号札を渡してくれます。

番号札を受け取ったら好きな席に座ってくつろぎましょう。この番号札は何かというと、列車の出発時間が近づいた際にスタッフの人がこの番号札をもとに呼び出してくれます。コンセントもあるのがありがたいです。

ラウンジではちょっとしたお菓子や飲み物が自由に飲めます。日本のクレジットカードで入れる空港ラウンジにお菓子などが加わったようなイメージです。

ということでお菓子をつまみながら時間までのんびり過ごします。時間になるとスタッフから呼びかけがあるので、ラウンジの入口で待っていましょう。ホームの入口まで案内してくれます。
改札を通りホームへ(ビジネスクラスは優先搭乗あり)

案内に従って改札の前に来ました。中国の高速鉄道はそれぞれのホームの入口に改札口があり、列車ごとに出発時間が近づくと改札がオープンするといった仕組みです。これも飛行機っぽさを感じますね。
そして改札前には長い列が出来ているのですが、ビジネスクラス利用者は横の有人通路から先に改札に入ることが出来ます。ラウンジ利用に加えて、改札の列も並ばずに済むのはかなり楽です。

ホームに到着。ゆとりがありピカピカなホームは圧巻です。

乗車位置が最初よくわからなかったのですが、電光掲示板を確認すると書いてあります。一番下の行に「黄色」と書いてあるので、ホームの黄色の案内に従えばOKということですね。

ホームの床に色分けされた案内があります。今回は黄色の案内に従って、自分の予約している号車の乗車位置で待っていましょう。

沢山ホームがあるので、待っている間にも色々な車両が多くて楽しいです。日本のE2系をモデルにした車両が連結して走っていて面白いですね。
いよいよ中国高速鉄道のビジネスクラスに乗車!
広々とした車内とフルフラットの座席に感動

乗車する列車がやってきました。今回乗るのはスマート復興号と呼ばれる、中国製の最新車両で運行される列車です。あまり中国の高速鉄道の車両には詳しくないのですが、車両横の表記を見る感じ、CR400AF-S型のようです。

ビジネスクラスの客室はこんな感じ(人が少なくなったタイミングで撮影)。車両の端のスペースにゆったりと2-1配列で立派な座席が並んでいます。クッションのデザインも中華風のデザインで好きです。

座ってみましたが、圧倒的な広さです。この異常なシートピッチの広さには理由がありまして……

なんとこのシート、フルフラットになります!まるで飛行機のビジネスクラスのようです。日本の新幹線はグランクラスでもここまでは倒れないので、この座席はかなり感動しました。中国の高速鉄道は長距離路線になると6時間以上乗ることもあるみたいなので、このような設備が用意されているのかもしれません。
充実の車内サービス

ビジネスクラスは日本のグランクラスのようにアテンダントさんが乗務しており、様々なサービスを受けることができます。検札としてパスポートチェックを受けた後、飲み物を聞かれたのでまずはコーヒーを注文。お菓子と一緒に持ってきてもらいました。ちなみに自分が乗っていた便のアテンダントさんは英語が喋れました!全員が対応しているかは分からないのですが、中国は英語が喋れる人が少ないと聞いていたのでこれはかなりありがたいです。

席の横にはコンセントとUSB端子が用意されています。Type-AとCが両方用意されているのは優秀。

約1時間の乗車でしたが、お昼時だったというのもあるのか食事も提供していただけるとのこと。牛肉麺かチキンライスのどちらかを選んでと言われたので、チキンライスを注文してみました。
出てきたのはまさかの日本風の味付けの日式照焼鶏肉弁当でした。一緒にスープも付けていただきました。

このお弁当、日本人好みの味で超美味しかったです。てりやきは神。


ご飯を食べた後は、ブランケットや耳栓などの快眠グッズをもらいました。フルフラットにした座席でブランケットを羽織って、横になってのんびり過ごしました。スリッパもあるので、靴を脱いでリラックスして過ごせます。



ただフルフラットにして寝ていると車窓を眺めることが出来ないのがちょっとジレンマですね…笑
別の高速列車と並走する場面があったり、巨大なマンションが立ち並ぶ光景があったりと中国らしい風景もありつつ、普通にのどかな住宅地が広がっているようなエリアもありました。
こちらも超巨大駅、杭州西駅に到着

ビジネスクラスなら1時間半の旅もあっという間!無事に杭州西駅に到着しました。連結部分はやっぱり格好いいですね。

記事の前半で述べた通り、中国の高速鉄道は出発と到着の動線が別れているので、出口の案内に従って進みます。

出口の改札がありますが、ここでも外国人は有人改札を通るのが無難です。係員にパスポートを見せればOK。

改札を抜け外のエリアに出ました。まるで空港の到着口のような雰囲気ですね。

そしてこの杭州西駅もかなりの巨大駅です。特に駅舎中央の吹き抜け部は迫力満点。エスカレーターも1Fから4Fまでぶち抜いているのでめちゃくちゃ長いです……

せっかくなので出発フロアにも来てみましたが、柱を最小限にしつつ曲線で構成された屋根が非常に美しいです。どうやら雲をモチーフにしたデザインになっているようです。

この後は杭州の中心部まで向かうため地下鉄に乗ったのですが、ホームも光を使った近未来的なデザインで超かっこよかったです。杭州西駅、ちょっと市内から遠く不便な面はあるものの、駅としてはかなり面白いので機会があれば使ってみてほしいです。
乗車券の予約方法と座席の種類
中国の高速鉄道のきっぷの買い方
ここまで中国高速鉄道の乗車記を書いてきましたが、簡単にきっぷの買い方についても書いていきたいと思います。
中国の高速鉄道の予約方法はいくつかあり、慣れていれば中国国鉄の公式予約サイトである12306で予約するのが車両の種類など(スマート復興号といった情報)が分かりやすく表示されるので良いと思いますが、あまり慣れてない方はTrip.comで取るのが楽です。Trip.comなら日本語サイトで操作出来ますし、特別引き換えなどの手間も無いので楽ちんです!
自分はAlipayのミニアプリの12306で列車の検索をして、スマート復興号のビジネスクラスの空きを調べてからTrip.comで購入といった感じで買いました。


左の画面がAlipayのミニアプリの12306、右の画面がTrip.comです。こだわりが無ければ、Trip.comの方が日本語で予約できて楽ですね。
列車と座席の種類
中国の列車にはアルファベットと数字で列車番号が振られており、基本的にはG・D・Cから始まる列車が高速鉄道となっています。その中でもGから始まる列車が最も早い列車となっているので、中国の高速鉄道を楽しむ目的だったGから始まる列車に乗るのがいいと思います。
また、座席の種類はビジネス席(商務座)、一等席、二等席があります。(一部列車にはビジネス席の代わりに特等席があり)日本の新幹線で例えると、ビジネスクラスはグランクラス、一等席はグリーン車、二等席は普通席といった感じですね。
ビジネスクラスは二等席と比較してしまうと3~4倍くらいの値段と結構高いですが、この記事で紹介した通りかなり充実したサービスが楽しめるので、是非一度は乗ってみてください!大満足の旅になると思います!
ちなみに帰り(杭州→上海)は一等席を使いました。こちらも乗車記を書いているので、よければ読んでみてください。

